私は、自慢ではないですが、集中力がとてもあります。本気で作業に入ると周りの音も聞こえなくなります。作業はものすごくはかどるのですが、裏を返すと、手元をずーーーっと見ていることになります。近視の原因になるのはわかっていても、こればっかりはどうしようもありません。
人間の目は外から入ってきた光を角膜・水晶体(凸レンズ状の形をしています)で屈折させ、眼球の奥にある網膜にその光を集中して当てるような構造になっています。
水晶体の厚みはある程度自由に変化させることができます。水晶体の厚み、というのは、凸レンズの表面の曲がり具合を変形させることを意味します。そのため、水晶体の厚みを変化させることで、外から来た光が焦点を結ぶ位置をある程度調整することができるのです。
この水晶体の厚みは、普段は自動で調整されて、ピントを見たい物に合わせています。水晶体の厚みを変化させているのは、水晶体の縁から少しはなれたところにある毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉です。
ところが、最近は生活習慣の変化により、近くを見ることが多くなりました。この時に、毛様体筋が伸びっぱなしとなることにより、毛様体筋が緊張して凝り固まってしまい、戻らなくなってしまうことがあるのです。これが、屈折性近視です。
これは、水晶体を調整する筋肉が緊張して、ピントを調節する機能がうまく働かなくなってしまうことにより、角膜・水晶体の厚みがうまく調整できなくなってしまうことが原因です。
ところで、私たちは、手許を見ている時間と、遠くを見ている時間では、どちらが多いでしょうか?たぶん、会社勤めの方や、学校に通っている方等のほとんどは、手許を見ている時間のほうが多いのではないかと思います。
このような場合に変に目がいいと、むしろ、近くをみるために筋肉が緊張して疲れてしまうおそれがあります。このようなことを考えると、近視が進むのは、恒常的に筋肉が疲れるのを防ぐための体の防衛反応といえるのかもしれません。
でも、それが、視力が0.1を切るようになると、やっぱり仕方がないとも言っていられないので、近視が進まないように注意する必要があります。