疲れ目・眼精疲労の症状(3)−近視

私の会社は、1日中コンピュータを見るような仕事が大半なので、周りにいる人たちも、どんどん目が悪くなっています。中には「視力が2.0から1.5に落ちたよ!」なんて言っている幸せな人もいますが、私なんかは、0.08から0.04とか笑い事ではない視力の落ち方をしています。

近視

近視が進行するのは25歳とか、ある程度の年齢までで、後は変わらないなんて思っていませんか?でも、私なんかは確実にその年齢を超えても目が悪くなってきていますし、今ではそれは俗説と言われています。原因は、パソコンや携帯電話の普及などによる目の使いすぎです。

さて、そもそも近視の原因にはどのようなものがあるかを考えてみましょう。

軸性近視

軸性近視とは、眼球の奥行きが伸びてしまう(つまり、眼球が縦長になってしまう)ことが原因で起きる近視です。

元々、人間の目は外から入ってきた光を角膜・水晶体(凸レンズ状の形をしています)で屈折させ、眼球の奥にある網膜にその光を集中して当てるような構造になっています。

もし、眼球の奥行きが伸びてしまうと、その分だけ、光の焦点(屈折した光が集中して当たる場所)が網膜の手前側にくるようになってしまうのです。その結果、網膜にあたる光は像がぼやけたものになってしまいます。

例えば、太陽にほえろ(だったと思いますが)のエンディングロールの一番最後に道路を行き交う車のヘッドライト・テールライトがぼやけて写っている絵だったと思うのですが、ああいう感じになってしまうのです(わかりますか?)。

人は、網膜にあたる光により、視覚の元となる情報を作っているため、その網膜にあたる光がぼやけていると、目で見える景色もぼやけてしまうのです。

屈折性近視

一方、屈折性近視とは、上でかいた角膜・水晶体のほうの調子がおかしくなることが原因で起きる近視です。

水晶体の厚みはある程度自由に変化させることができます。水晶体の厚み、というのは、凸レンズの表面の曲がり具合を変形させることを意味します。そのため、水晶体の厚みを変化させることで、外から来た光が焦点を結ぶ位置をある程度調整することができるのです。

もし、水晶体の厚みが変化しないとすると、人はある一定距離のものしか見ることができなくなってしまいます。例えば双眼鏡や望遠鏡をのぞき込んでいるときに、ピントを調整しないと、ある一定の距離のものしか見えないですよね?人の目の構造も基本的にはこれに似た構造になっているのです。

この水晶体の厚みは、普段は自動で調整されて、ピントを見たい物に合わせています。水晶体の厚みを変化させているのは、水晶体の縁から少しはなれたところにある毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉です。

私たちが遠くのものを見る時には、毛様体筋はピントを合わせるために縮み、水晶体を引っ張ることで水晶体を薄くしてピントを合わせているのです。

逆に近くのものを見る時には、毛様体筋はピントを合わせるために伸び、水晶体を引っ張る力を弱めることで水晶体を厚くしているのです。

ところが、水晶体を調整する筋肉が緊張して、ピントを調節する機能がうまく働かなくなってしまうと、角膜・水晶体の厚みがうまく調整できなくなってしまうことがあります。これが、屈折性近視です。

仮性近視

ところで、屈折性近視になる一歩手前の状態として「仮性近視」と呼ばれるものがあります。

これは、毛様体筋が緊張して疲労がたまっている状態で、水晶体の厚さが元に戻りにくくなってしまっている状態をいいます。

もし、このまま放っておくと屈折性近視に移行してしまう一方で、この段階で筋肉の凝りがとれれば、元に戻る可能性もあるのです。




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